プレシジョンシリーズ


 

凸彫りシリーズの直後に現れ、スーパーカー消しゴム爆発的ブームのきっかけとなったシリーズ。

憧れのスーパーカー達を3cmたらずのスケールで見事に再現したこのシリーズによって、スーパーカー消しゴムは早くも頂点に到達する。

このシリーズの特徴:

(1)スーパーディティール

全長わずか3cm弱の消しゴムに実現されたその精密さは驚嘆に値する。このシリーズのディティールはスーパーカー消しゴムの最高峰といえよう。

(2)当時の代表的なスーパーカーをラインアップ

基本は(1)イタリアの車で(2)カロッツエリアが手がけたデザインの車である(BMWとポルシェは例外扱い)。このシリーズはブーム初期の当時、世間で「スーパーカー」と認められていた車種を押さえており、その意味ではまさに「正統派スーパーカー」シリーズといえる。また、全車種の裏面に車名が記載されている。ただし一車種誤植あり(笑) 

(3)マンガ「サーキットの狼」の主役がラインアップにない(はず)。

ロータスヨーロッパは実はスーパーカーとしてはそれほど人気は無かった。まあ小学生でもこの車のスペックを一目見ればスーパーカーとしての魅力が不足していることに気づく。排気量だけ見れば国産以下だし・・(ただし、これは手持ちのコレクションからの判断なので、もしかしたら存在するかもしれない)。

※サーキットの狼にまつわる話は「狼コラム」に掲載。

 
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Lamborghini Countach LP500S
ランボルギーニカウンタック

見事にカウンタックのイメージを捉えたモデリング。当時この消しゴムを見た瞬間衝撃を受けた。

カウンタックLP500Sは、カナダの石油王で車道楽のウォルター・ウルフなる人物の特別注文モデルとして知られ、ボンネットにはランボルギーニのエンブレムの上に並んで彼のF-1チームのエンブレムが装着されている。当時はカウンタックとしては、この消しゴムをはじめ、プラモデルやカードなどすべて500Sの方がメジャーだった。ノーマルより数段迫力あるスタイルが人気の原因と推測される。そういやスーパーカーブームで、街の珍走団もオーバーフェンダー&リアウイング装備が目立つようになった記憶がある(昔はちょっといじるだけでも違法改造だったんだよね)。

 

   
   

PORSCHE 935 TURBO

ポルシェ935ターボ

ポルシェのレーシングモデルの中で、スーパーカーブーム中もっとも人気のあった935ターボは、当時グループ5、別名シルエットフォーミュラというカテゴリに属する。別名の由来は、このグループ5のレギュレーションが市販車ベースながら極めて高性能なマシンを許していたため、F1並みのパフォーマンス(特にパワー面で)のモデルが次々現れたためである。

この消しゴムは935の中でも最初期モデルを再現している。フォルムは実車にくらべやや平べったくなりすぎた感があり、かつリアスポイラーのサイズも控えめで(ひょっとしたらこういうモデルがあったのかも知れない)このシリーズとしては雰囲気の再現性不足か。

935はこのあとすぐに、ポルシェの特徴ともいえるカエル目のヘッドライトを削り落とした、有名なデザインのモデルにチェンジする。

<狼コラム>
風吹裕矢のライバル早瀬左近は、このモデルの進化版の935-77をドイツから取り寄せ、日光レースに持ち込む。「日本に入ったのはこれが最初」だったらしい。さすが金持ちはちがう・・・
   
   

Lamborghini MIURA
ランボルギーニミウラ

ミウラは生産時期順にP400、P400S、P400SVの3つのモデルが存在する。このモデルはヘッドライト周りのフィン(俗にまつげといわれる)が省略されていることから、P400SVをモデルにしていると思われる。フォルムの再現性は凸彫りシリーズと比べると天と地ほどの差がある。実車のイメージをよく再現しているといえよう。

当時の自分はこのミウラにかなり萌えだった。とにかくデザインの美しさは筆舌しがたい。ちなみにプラモデルではフジミの1/20スケールが超ハイディティールで(ちなみにタイヤは中空ゴム)、いったい何台作ったか・・・

ミウラのデザインは公式にはマルチェロ・ガンディーニのデザインであるという表明がなされている。しかし個人的には、図面を引いたのはガンディーニに違いないが、オリジナルデザインはかのジョルジェット・ジウジアーロがベルトーネスタジオを去る際に残していったデザインスケッチのひとつであり、ガンディーニがそこから着想を得てミウラを生んだのではないかと推測する。

なぜなら、ミウラのデザインラインはカウンタックをはじめとする他のガンディーニデザインのテイストとあまりにもかけ離れているのと、ミウラには当時ジウジアーロがデザインした一連のプロトタイプモデル、シボレーコルヴェアテスチュードや、イソ・グリフォ、そしてデトマソマングスタに近いテイストを感じてしまうからだ。

 

   
   

Ferrari 512BB
フェラーリ512BB

個人的にこのシリーズでもっとも完成度が高いと感じるモデル(カウンタックもかなりよく出来ているが・・)。全スーパーカー消しゴム中でも最高傑作のひとつだろう。サイドのNACAダクトのモールドを見たときはその精緻さに震えた。これで車名の誤植さえなければ・・・

当時子供心にも、512BBの最高時速表示(302km/h)は大人気ないと感じた覚えがある。

<狼コラム>  

サーキットの狼でフェラーリは主人公がロータスの次にのるメーカーとして、また悲劇のヒロイン「フェラーリの女豹」こと田原ミカの愛車として大活躍する。ただしこの512BBをはじめとする12気筒フェラーリは、カウンタックと同様に常に悪役/やられ役扱いだった・・・

   

Lamborghini JOTA
ランボルギーニイオタ

「幻のスーパーカー」として話題となったクルマ。当時は情報不足もあって、イオタについてさまざまな誤解があった。現在は、イオタと呼べるモデルはランボルギーニ社のテストドライバーであるボブ・ウォレスが製作したプロトタイプ一台のみであり、後に事故で失われていること、当時イオタとして紹介されていたモデルはすべて後日製作されたレプリカであることが判明している。

この消しゴムのモデル(落ち葉の中の写真が有名)は当時私達の間で「本物のイオタ」として認識されていたが、これもレプリカである。ただし、レプリカとしての実車の雰囲気はよく再現されている。

<狼コラム>  

ヒロイン達が思わずときめいたハンサムガイ「潮来のオックス」こと関根英次の愛車として登場。作者によればこのキャラクタは実在の人物がモデルらしい。その人もレプリカイオタに乗ってたのかな?

 
 

Maserati BORA
マセラティ ボーラ

多少デフォルメはあるが、かなり実車の雰囲気を再現している。特にサイドドアウィンドウ部のV字ラインや、リアウィンドウ部からテールエンドにかけての落ち込みの表現は見事の一言。実車はイタリアの名門マセラティ社のスーパーカー。ジウジアーロデザインのボディに4.7リッターV8エンジンをミッドシップマウント。エンジンルームをガラスキャビンで覆うという当時としてはかなり大胆な設計。

<狼コラム>  

ドライバーキャラは切替テツ(これまた実在の人物=切替徹がモデル。フェラーリオーナーズクラブの会長を務めていたはず)。 A級ライセンス模擬レース中、池にボーラを沈める。

ボーラは物語中で当時の「スーパーカーの実測最高速度記録(ちなみに257.14km/h)」をもつクルマとして紹介されており、このクルマの基本性能の高さが伺える。

 
 

BMW 3.5CSL

BMW 3.5CSL

ベー・エム・ベーと読むのが当時の世代。同じドイツでもポルシェと違い、見かけが普通のクルマであったBMWはスーパーカーとしてはやはり人気薄だった。ランボルギーニとの共同制作マシン「M1」の登場によってようやくBMWがスーパーカーとして注目されるようになったのはブーム末期のことだった。

このモデルのベースは3.5リッター直6DOHCを搭載するFRクーペ(CSLのCSはクーペ、Lは軽量化モデルを意味している)だが、当時メーカー選手権のライバルであったポルシェ935ターボを倒すべく、グループ5レギュレーションで極限までチューンされており、のちのターボモデルでは最高出力はなんと1000馬力を搾り出した。でもそこまでしても基本ポテンシャルの差から、ポルシェには勝てなかった(ゆえにM1が開発された)

<狼コラム>  

BMWといえば3.0CSLに乗って流石島レースにエントリーしてきたニセ外人?隼人ピーターソンの印象が強すぎて、悪役カーの印象を与えてしまっているが、後に京都の元女珍走団のボス京極さくらが、兄弟モデルである3.0CSLターボ(最高出力750馬力!)に乗って日光レースに参戦。登場時はかなり重要なキャラであるような雰囲気だったが、後の話には出ずじまい・・。登場時「風吹や早瀬の運命を左右する女性」と書かれながら以後現れなかった山岸みのりに通じるものがある。(ただしのちに描かれた外伝マンガでは裕矢と京極さくらのエピソードが登場する)

 

 
   
   
   

Lamborghini Silhouette
ランボルギーニ シルエット

ランボルギーニから当時フェラーリ308GTB対抗モデルとして登場。ウラコP300をベースに、リアの+2をとっぱらって完全2シーター化。生産台数は50台ちょっとという、これまた幻のスーパーカー。

この消しゴムはシルエットの特徴といえるタルガルーフの表現にチャレンジしているが、残念ながら逆効果となっている。(トップからサイドウィンドウにかけてカバーがかかっているように見えてしまう)かつ512BBとの誤植ペアでもある。

   
   

大型モデル
 

このシリーズでも大型モデルは健在。ただ、手にあるのは2車種、しかもウラコとシルエットのみ。おそらくもっと車種は存在していたと思われる(不要として処分したのかも)。肉厚すぎたのかどのモデルもゆがんでいる。


Lamborghini Silhouette
 

Lamborghini Urraco
ランボルギーニ ウラコ
 

   
   
   
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