ウォークマン開発ストーリー Vol.4

WM-R2(1982)

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WM-2発売後、ウォークマンのラインナップを充実するため、WM-2のメカニズムを使った 録音機の企画が立ち上がりました。

当時は、録音機はマイクを内蔵するのが基本であり、またウォークマンなのでステレオマイクを搭載することになりましたが、一つ問題がありました。

実はこのWM-2のメカニズムは、「ガマノイズ」と呼ばれる機械ノイズを発生していたのです。
因みに「ガマノイズ」とは、ガマガエルの鳴き声に似ていたことから、そう呼ばれていました。
このノイズは、メカニカルフェザータッチボタンの下にある板金が、ギヤ―ノイズに共振することで発生していました。
そのため、このメカがウォークマン専用と決まったとき、内心ラッキーと思っていました。なぜならウォークマン(=再生機)なら内蔵マイクがないので、ガマノイズが問題となることは無いだろうと思ったのです。
しかし今回、内蔵マイクが、しかもステレオで付くことになってしまったのです。しかも、実はステレオはモノラル以上にノイズが目立つのでした。

早速、マイク取付け検討が開始されました。
まず、ノイズの入りづらい場所を探すことになり、ノイズ源から遠く、そして振動が少ないコ−ナーが選ばれました。しかし、まだ不十分だったため、本体とマイクを別ブロックに分ける構造とし、さらにマイクをゴムで浮かし、マイク前面にメッシュを使うなど、考えられるあらゆる方法を取り入れた結果、どうにか許されるレベルに抑える事が出来ました。
その形が、当時ヒットした映画に出てくる、頭の両側に懐中電灯を付けた人物に似ていたことから、我々はこのセットを「八つ墓村」と呼んでいました。

言うまでもなく、このセットの場合はノイズ検討が先で、その結果を盛り込んでデザインしてもらうことになりました。

なお、これ以降、ウォークマンは寸法がより小さくなったこともあり、内蔵マイクは設けないことになりました。

(談:S様)

 

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